賃貸住宅の売却①-2
2024年02月23日
賃貸住宅の売却①-2
社長の小宮です。
弊社では賃貸物件の管理を主に取り扱っています。
今回は、前回(賃貸住宅の売却)の続きです。
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はじめに
「不動産取引の経験のある方」「ある程度の知識がある方」へ
本記事はそんな皆さんにとっては当たり前の基礎的な内容となっていますので読み飛ばして違う記事をご覧下さい。当ブログ恒例のトホホエピソードとかオススメです(笑
さて、それでは本題へ。
前回は、賃貸住宅の売却先について解説しました。
今回は、売買価格の出し方についてお話しさせていただきます。
入居者がいる、もしくは入居者に貸す予定である賃貸居住用物件は、家賃収益を生む事から「収益物件」とも呼ばれています。
そんな収益物件は、売却時の価格査定(設定金額)の方法も独自の計算方式が存在します。
利回り計算
一般的に利回りとは、投資額に対するリターンの割合のことを指します。
不動産投資の場合では、「物件の取得費用に対する1年間の家賃収入の割合」と言い換える事ができるでしょう。
「利回り○○%」など、パーセンテージ表記される事が一般的です。
尚、不動産利回りは大きく分けると下記の3種類に分類されます。
想定利回り
物件が満室だった場合を想定して、1年間に得られる家賃収入を基に計算する利回りの事です。
売買物件の募集図面や募集サイトに掲載されている利回りは、主にこちらの想定利回りとなっています。
広く使用されている指標なので比較検討の材料としては重宝しますが、実際の収益物件の運用においては永遠に満室なんて事はあり得ませんし、家賃額も築年数とともに減額していくのが普通なので、提示された数字は将来に渡って保証されている訳ではありません。
数字だけに囚われて鵜呑みにしないようにしましょう。
計算方法
売却価格=満室想定での年間の家賃収入÷想定利回り
例えば
(月額家賃5万円で全10室のアパートだった場合)
想定年間家賃は 5万円×10室×12ヶ月=600万円
利回りを10%とするならば 600万円÷0.1=売却価格6,000万円
利回りを5%とするならば 600万円÷0.05=売却価格1億2,000万円
表面利回り
物件の大まかな収益力を捉えるための指標で、前述の想定利回りもこの表面利回りの考え方を基にしています。
単純に年間で得られる家賃収益と売買価格のみで算出する方式なので計算はしやすいですが、実際に掛かる経費などは考慮に入れていない事は覚えておきましょう。
計算方法
売却価格=年間の家賃収入÷表面利回り
例えば
(月額家賃5万円で8室入居のアパートだった場合)
年間家賃は 5万円×8室×12ヶ月=480万円
利回りを10%とするならば 480万円÷0.1=売却価格4,800万円
利回りを5%とするならば 480万円÷0.05=売却価格9,600万円
実質利回り
不動産の購入費用や諸経費などを考慮に入れて計算する利回りの事です。
表面利回りと違って正確な収益力を判断する場合に用いられます。
但し、掛かる費用や諸経費を正確に数値化する事は難しい場合が多く、一般的ではない計算方法と言えるでしょう。
また、こちらも将来の空室率や家賃減額は想定していない計算なので、確実に得られる利益ではない事は覚えておきましょう。
計算方法
売却価格=(年間の家賃収入-年間の経費)÷実質利回り
例えば
(月額家賃5万円、8室入居で年間経費が100万円のアパートの場合)
年間の実質利益は 5万円×8室×12ヶ月-100万円=380万円
利回りを10%とするならば 380万円÷0.1=売却価格3,800万円
利回りを5%とするならば 380万円÷0.05=売却価格7,600万円
地価計算
前出の利回り計算は、長期に保有して家賃収入を得ていく事を目的とした不動産投資の指標でしたが、物件によっては長期保有が難しい場合もあります。
よくあるのは築年数がかなり経過しており、建て替え時期にきているような物件です。
こうした物件は、家賃収益を上げられる期間が短い可能性が高いので、家賃収益と言うよりも取り壊し後の運用を視野に入れた購入となります。
売買価格の計算方法も、利回り計算は使用せず更地を購入するときのような計算方式で価格を決めていきます。
路線価と相場地価などがその基準となるのですが、ここでは詳しい説明は省かせていただきます。
いずれ機会があればご紹介します。たぶん。
はい。今日のところはここまで。
次回は、「売却手順」についてお話しさせていただこうかと思います。
エリアは狭いですが、弊社でも厚木市・海老名市・伊勢原市近辺であれば管理が可能です。
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