テナントビルの原状回復工事①-3

2024年02月17日

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社長の小宮です。

弊社では賃貸物件の管理を主に取り扱っています。

 

今回は、「テナントビルの原状回復義務」の続きです。

→ 前回記事 ←

 

 

 

前回は、賃貸ビルの原状回復において、後のトラブルを招かないよう弊社が提案している契約書への明示についてご説明させていただきました。

今回は、原状回復における「事業用ならではの特殊な取り決め」についてご紹介します。

 

 

ある意味「次に入居する人のために実施する」とも言える原状回復。

壊れた設備を修理

色褪せた壁紙や畳を交換

ハウスクリーニングを入れる

こんな感じで借りる前の状況に戻して、次の人が同じ状態ですぐに使えるようにするのが居住用の原状回復のイメージです。

 

尚、居住用の場合は、用意された内装をそのまま入居者が使う事を基本としています。

最近「DIY」の普及で居住用でも入居者自身で内装をイジる事がOKとされる物件も出てきましたが、基本的には勝手に内装や設備をイジるのはNGなんですね。

 

しかし、事業用の場合はそうは行きません。

事業者は自身が営業をするために営業をしやすい設備や環境を作る必要があります。

会議室や事務室など細かく間仕切りしよう

厨房にガスが必要だからガスを引き入れよう

目立つように大きな看板を取り付けよう

などなど。

居住用と違い、部屋の契約金以外にも多額の費用が掛かるのが事業用の特徴なのです。

 

そんな訳で、高額な内装費が掛かる事業用では「ならでは」の特殊なルールという物が存在します。

 

 

❶ 居抜き

既にある程度の内装が備わっている状態で業種を絞って募集されている事業用物件です。

飲食業(居酒屋、ラーメン店など)、専門職種(美容室、医院など)などに多い印象です。

造作主

・次の入居者がすぐに営業できるように貸主さんが造作

・前の借主さんが作った造作を次の入居者さんに引き継ぐ

などありますが、最近は圧倒的に後者の方が多い印象です。

居抜料

・無償で引き渡し

・契約時に一括で買取り

・毎月料金が掛かる

などあります。内装費用の取扱いをどうするか、といった内容ですが、これは物件により対応は様々ですね。

居抜きのメリット

(借主側)

・すぐに営業を開始する事ができる

・高額な内装費が掛からない(or抑えられる)

(貸主側)

・需要の多い募集手段なのですぐに決まりやすい

・前回同様の業種が入るので異業種に変わる事で起こるトラブルがない

居抜きのデメリット

(借主側)

・基本的に中古の品であり、新品ではない

・出来上がった状態なのでレイアウトなど自由にできない

(貸主側)

異業種からの申込だと内装が無駄になる

 

 

❷ スケルトン

壁紙や床材など一切ない骨組み(コンクリートむき出し)の状態で募集されている事業用物件です。

業種の偏りが少ない雑居ビルなどに多い印象です。

造作主

・スケルトンなので当然、造作は一切ありません

スケルトンのメリット

(借主側)

・自身の指定した内装業者に頼めるので自由なレイアウトが可能

・解約時の原状回復は造作の撤去のみで済み、再造作の必要がない

(貸主側)

・業種を狭めず幅広く募集ができる

・解約時の原状回復が単純なのでトラブルになりにくい

スケルトンのデメリット

(借主側)

・一から作る必要があるので高額な内装費が掛かる

・造作に時間が掛かる為、すぐに営業を開始できず、その間も家賃が発生する

・解約時に全てを撤去するので内装が丸々無駄になる

(貸主側)

・借主に掛かる費用が高額なので決まりやすいとは言えない

 

 

ちなみに

オフィス系ビルでは❶❷ともにあまり見かけません。

オフィスについては所謂「事務所仕様」に内装を仕上げて貸し出し、解約時は原状回復をしてもらう形式が一般的のようです。

 

 

 

以上、お読みいただいてありがとうございました。

次はまた違った話題についての記事にする予定です。

 

 

エリアは狭いですが、弊社でも厚木市・海老名市・伊勢原市近辺であれば管理が可能です。

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